1987 年 26 巻 Special1 号 p. 25-35
隣接する2つのパスから観測したランドサットデータには両方の観測シーンに含まれるサイドラップ領域がある。サイドラップ領域上では隣接する2つのパスからそれぞれ違った角度で観測されたデータが得られるので, この事を利用してサイドラップ領域の高度情報を求める事が出来る。サイドラップ領域に位置し比較的大きな高度差が存在する様なテストサイトを選定し, 両側のパスから観測したシステム補正TMデータを使ってテストサイトの高度を算出する研究を行った。テストサイトにおいて高度算出の基準面を設定し左右の観測画像を基準面で重ね合わせた。次にテストサイトの名点について左右の重ね合わせ画像における対応点を自動的に探索し, 左右の対応点を観測した時の各衛星の位置をシステム補正時の衛星位置推定データから求めた。左右の対応点とそれぞれの点を観測した時の衛星を結ぶ直線の最応点とそれぞれの点を観測した時の衛星を結ぶ直線の最も近くなる点を求める事によりテストサイトの高度を算出した。約60点の高度算出評価点における地形図から読み取った高度に際する誤差 (rms) は117mであった。
内挿により対応点の探索精度をより細かくする事により93mに改善された。またテストサイトの高度の500m間隔のカラースライス画像に地形図から抽出した等高線をオーバーレイした画像を作成して見ると両者は良く合致していた。