抄録
現在米国で開発中のGPS (Global Positioning System) を利用して得られる撮影点および地上受信点の座標あるいは受信点間の斜距離も地上測量による測定値であると考えるならば, 筆者らが開発した同時調整法, すなわち地上測量における角, 距離および標高の間の条件と写真測量における共線条件とを同時に解くことにより, 単写真からでも外部標定要素と測点の3次元座標とを決定し得る方法の利用が可能になると思われる。
そこで, 本論文ではGPSから得られる成果を想定して, 同時調整法を用いた単写真に対するシミュレーションにより, BPSの航空および宇宙写真測量への利用の可能性について検討した。
その結果, GPSの航空写真測量への利用には, 1点測位方法と相対測位法とを併用する方法が合理的であると思われる。また, 宇宙写真測量に対するGPSの利用は標定要素の精度向上にとって極めて有効な手段であることが確かめられた。