1992 年 31 巻 2 号 p. 29-38
この研究では, 海色パターンと大気エアロゾルパターンとには相関がないことに着目し, 統計的方法を用いて大気エアロゾル・パラメータε (λ, 670) を求め, 大気効果補正を行う方法を考えた。実際に日本周辺海域のCZCSデータに適用し, また, クリアウォータ海域を用いるGordonの方法による補正結果と比較した。
ε (λ, 670) の波長依存性を検討したところ, 日本周辺海域のエアロゾル・パスラジアンスを推定するためにオングストローム指数則を用いることは誤差が大きく, 適当でないことが多いということが知られた。また, 統計手法によるエアロゾル・パラメータを求め大気補正を行うことにより, Gordonらによるクリアウォータ海域を用いる方法より適切に大気補正を行えることが示された。