斜面災害のうち, 特に落石は, 大規模で, しかも従来からの落石現象だけではとらえられないパターンの災害が発生している。現在, 落石災害に関する予知・予測の手段の確立が急がれている。
従来から, 斜め写真による判読と現地調査を主体に定性的な方法で発生危険箇所の調査を進めてきた。安全で, 効率的で, 迅速に落石対策調査を実施していく上の, 一つの手法として熱赤外線データの利用が考えられる。
本研究では, 落石対策調査に熱赤外線データを適用していくことを前提とし, その可能性について, 積雪寒冷地をモデルに考察した。