抄録
植生指標は衛星によるグローバルデータセットとして最も実用的なプロダクトであるうえに, 蒸散速度との関係が実験的にも理論的にも確かめられている。そこで, アジア地域を対象として, NOAA-EPA作成のGlobal Ecosystem Databaseに含まれている植生指標の季節変化および年間積算値と, 気候学的推定法で求めた月蒸発散量計算値および年蒸発散量との関係について検討を行った。
その結果, 中緯度に限り両者の季節変動の相関が高いことが明らかとなった。また, 月植生指標の年積算値は実蒸発散量計算値との相関が高く, 植生指標データセットから蒸発比 (実蒸発散量/可能蒸発散量) を推定する可能性が示唆された。ただし, 低緯度, 特に湿潤熱帯では両者の関係は明瞭ではなかった。