抄録
欧米では1平方メートルあたり5ポイント程度の高密度で観測する航空機レーザーデータを用いた建築物の抽出手法が提案されているが, 日本で主に用いられている航空機レーザーデータは, 1平方メートルあたり0.2ポイント程度の低密度データである。このデータからビルを抽出すると, 観測点が疎であるためビルのエッジ抽出が十分に行えない。そのため, 航空機画像を補助として, 低密度の航空機レーザーデータから建築物を抽出する手法を提案した。
本手法はウェーブレットを用い点集合のレーザーデータを異なる解像度でクラスタリングし, 航空機画像から得られたエッジ情報と組み合わせて建築物を抽出する。東京都新宿区の高層ビル地域に本手法を適用した結果, 低密度の航空機レーザーデータからでも良好にビルを抽出することができた。