2005 年 44 巻 5 号 p. 64-72
アマゾン河流域のJERS-1 SAR画像の森林と水との境界に沿って現れる孤立した強い2回反射を用いて, 原画像の1/256のサイズの画像に原画像でははっきりしなかった小河川を明るい線として表した。この画像では広い水面は暗い領域として実サイズで表現される。この明るさが川の各地点の幅/水位に関係しているように見えたので, 1993年から1997年のデータを用いて, Madeira河流域のいくつかの小支流域の川の明るさの季節変化を調べたところ, その明るさの総和は, 流出量を求めるのに使われる水文学的パラメータの一つである支流域の主流の長さに比例していることが分かった。したがって, これらの画像のモザイクは, 小さなサイズで広大な領域をカバーできるので, 流路の変化しやすい人里離れた熱帯雨林地域の小河川とその水量分布のクイックルック画像として実用的な価値があると考える。画像からの流出量推定の可能性についても言及した。