抄録
Threshold®を用いた呼吸筋トレーニング中の換気量変化を検討した研究は少ないため、今回、肺気量分画測定の手技を応用した方法で検討した。対象は健康若年者7名ですべて非喫煙者である。最大吸気口腔内圧は残気量位、最大呼気口腔内圧は全肺気量位で測定した。また無負荷時の肺気量分画はスパイロメーターのみで測定し、7段階の強さのThreshold負荷下での肺気量分画ではThreshold®を直列にスパイロメーターに接続して測定した。その結果、肺気量分画の各パラメーターは、負荷圧の増加に伴う有意な変化を示さなかった。さらに各負荷圧での肺気量分画は、無負荷時に比較して吸気負荷、呼気負荷とも有意差が認められなかった。このことから今回の負荷量は、最大口腔内圧に比べ十分に低いと考えられた。