埼玉理学療法
Online ISSN : 1348-0294
Print ISSN : 0919-9241
ISSN-L : 1348-0294
研究と報告
抜管後のNIPPV導入と呼吸理学療法の併用によりウィーニングに至った1症例
長谷 晶子立山 よ志子谷口 誓子富張 勝則染谷 光一
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 8 巻 1 号 p. 13-17

詳細
抄録
今回、肺炎を併発し高炭酸ガス血症を伴った肺気腫の症例に対し、人工呼吸管理下にて呼吸理学療法(以下、RPT)を開始した。本症例は、挿管9日目に抜管を試みるも、高炭酸ガス血症となり再挿管となった。そこで、ウィーニングを目的にRPTを開始した。RPT開始時の問題点として、(1)気道内分泌物の貯留(2)肺・胸郭コンプライアンスの低下(3)気道抵抗の上昇(4)呼吸筋力の低下を認めた。訓練内容は、排痰手技、体位排痰法、四肢筋力強化訓練、離床訓練を中心に行った。病態の改善に伴い再度ウィーニングを試みたが、呼吸筋疲労を認め、難渋した。そこで、NIPPVを併用し、呼吸仕事量を軽減する機会を設けながら呼吸筋強化、歩行訓練等の全身的運動療法を施行した。その結果、RPT開始76日目にウィーニングを完了した。本症例のように呼吸筋の弱化による低換気を呈する症例に対してのウィーニングは、長期化することが懸念される。その為、NIPPV併用による呼吸筋の安静を取り入れたRPTはウィーニングに対し、有効と思われた。
著者関連情報
© 2001 社団法人 埼玉県理学療法士会
前の記事 次の記事
feedback
Top