抄録
今回、我々はアテトーゼ型脳性麻痺に併発した頚髄症に対する骨膜下筋腱剥離術・椎弓形成術後に用いるバネ固定式頸椎装具を試作した。対象は、痙直型および純粋型のアテトーゼ型脳性麻痺各一例である。試作した装具は、体幹支持部と頭部支持部から構成される。体幹支持部の背部から支柱が頭頂に延ばされ、支柱から9本のバネで頭部支持部が固定される。2症例ともに、術後、頚髄症状は改善し、同装具着用下での理学療法で増悪を認めず、局所の安静・固定装具としての有用性が得られた。また、一例では随意的な頸部の運動性を引き出す理学療法を行い、向上がみられたことから、アテトーゼ型脳性麻痺の術後理学療法に対する補助的有効性が示唆された。