医療の質・安全学会誌
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視点
フォロワーシップを患者安全に活用するための戦略
松村 由美
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2019 年 14 巻 2 号 p. 202-206

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抄録
本視点では,患者安全の観点から,医療チーム形成に影響するフォロワーシップに焦点を当てる.リーダーシップとフォロワーシップの関係において,歴史的には,フォロワーの役割は過小評価されてきたが,フォロワーシップの理解がなければ,リーダーシップを真に理解することはできない.
フォロワーシップとは,ただ,盲目的にリーダーに従うことではない.Kelleyのモデルによれば,フォロワーは5つの類型に分かれる.模範的フォロワーは,批判的思考を持ち,自分の意見をリーダーに伝え,チームによい影響を与えることができる.しかしながら,人の常として,誰にとっても,批判を受けることは気持ちのよいものではなく,とりわけ,疲れていたり,ストレスの多い環境にさらされているときにはそうである.患者安全のために,意見を伝えようとするとチームメンバーの中で葛藤が生じることがある.葛藤を恐れるのではなく,葛藤をうまく扱い,より高いレベルでの合意を目指すことは,患者安全にとって重要なことである.そのためには,模範的フォロワーを意識し,行動する.
模範的フォロワーになるためには,医療従事者は,ノンテクニカルスキルを学ぶとよいだろう.TeamSTEPPSのツールのひとつであるDESCスクリプトを意識した合意形成プロセスを日常の業務において使いこなせればよいだろう.D は,客観的説明,Eは主観的説明,Sは提案,Cは納得のいく結論を示す.
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