医療の質・安全学会誌
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報告
薬剤師外来における退院後フォローアップ外来の有用性
−入院から外来までのシームレスな介入による医療安全と医療の質の向上−
土屋 裕伴諸橋 賢人大登 剛齋藤 由貴山田 早安達 友真石田 洵一郎小林 理栄新井 亘増田 裕一
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2020 年 15 巻 4 号 p. 355-363

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抄録

地域医療に対する介入が求められている中で,病院薬剤師は薬剤師外来を活用した介入が推奨されているが,入院患者に対して退院後もシームレスに介入した報告はない.退院後フォローアップ外来におけるシームレスな介入の有用性を評価した.2017年10月から2018年8月までに薬剤師外来で薬剤管理指導業務を実施した患者を対象とし,退院後も継続して介入した群をシームレス群,外来で介入を始めた群を外来群として,客観的評価と主観的評価,医療経済効果ついて検討を行った.シームレス群は91名,外来群は149名であり,プレアボイドはそれぞれ143件(41.3%),56件(19.2%)と有意にシームレス群で多かった(P<0.001).医療経済効果は,それぞれ1件あたり39,288円,15,088円と算出された.より多くのプレアボイドにつながり,医療安全や医療の質の向上,医療経済効果に対して有用性が示された.

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