日本補助犬科学研究
Online ISSN : 1882-3084
Print ISSN : 1881-8978
ISSN-L : 1881-8978
総説
身体障害者補助犬法で認定対象となっていない海外からのサービスドッグ同伴受け入れにおける現状と課題
高柳 友子
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 12 巻 1 号 p. 26-31

詳細
抄録
身体障害者補助犬法(補助犬法)は、盲導犬・介助犬・聴導犬の三種類を身体障害者補助犬(補助犬)と総称、障害者の社会参加を促進することを目的に受け入れを義務化した法律であり、認定や表示の義務が定められている。補助犬のうち盲導犬、聴導犬は我が国と欧米諸国と共通するものの介助犬の訳語であるサービスドッグは、肢体不自由に限らず内部障害や発達障害、心的外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder : PTSD)など、欧米諸国ではニーズが多様化しており、我が国の補助犬法のように障害者本人が管理する規定や認定や表示義務も法律上の定めがない。米国ではエモーショナルサポートアニマルに「偽」と「見えない障害」が混在することで社会問題化している。我が国において毎年20頭前後の補助犬を含む約7,000頭の犬の入国がある中、我が国の航空会社でも北米便ではサービスドッグ受け入れ実績が年間30件以上あり、機内での鳴き声や乗客からの苦情等の課題が報告された。2020年オリンピック・パラリンピック開催に向けて海外から補助犬法に即した受け入れが適切に行われるような情報周知が重要である。
著者関連情報
© 日本身体障害者補助犬学会
前の記事 次の記事
feedback
Top