抄録
呼吸器疾患を引き起こす新型コロナウイルス(COVID-19)感染症は、現在進行中の世界規模のパンデミックとなり、いまだ収束していない。
日本を含むいくつかの国で、犬を含む動物がCOVID-19の原因となるウイルスに感染したことが報告されている。しかし現在までに得られた情報によると、動物がCOVID-19を人に感染させるリスクは低いと考えられている。このウイルスについてはいまだ詳細な解明はされていないが、人が動物にウイルスを感染させる場合もある。どのような動物がこのウイルスの影響を受ける可能性があるか、また動物が感染拡大にどのような役割を果たすかについても、さらなる研究が必要であろう。
以上のように、現状ではCOVID-19を人獣共通感染症として過度に恐れる必要はないが、補助犬使用者や補助犬訓練施設など、補助犬に関わる人たちはCOVID-19に対して正しい情報を持ち、適切な対応をすることが必要であると考える。