堆積学研究会報
Online ISSN : 1884-4715
ISSN-L : 0285-1555
瀬戸層群にみられる巨礫の入り込んだ河成礫層
中山 勝博
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1992 年 37 巻 37 号 p. 79-84

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抄録

中~巨大巨礫の入り込んだ河成礫層を瀬戸層群で観察した. 瀬戸層群は河湖成の上部中新統~鮮新統である. 小論では, 巨礫の入り込んだ河成礫層と庄内川における現世の巨礫のみられる河成堆積物を記載し, 瀬戸層群の巨礫の入り込んだ河成礫層の堆積環境を考察した.
瀬戸層群にみられる巨礫の入り込んだ河成礫層は, 淘汰の良い礫と砂基質に円~亜円の花崗岩質の巨礫が入り込んだもので, 斜交あるいは平行層理を示し, 上方細粒化が認められる. 同様な特徴が庄内川において川が山麓線と交差する地点での礫質な河川州堆積物にも認められた.
庄内川における礫質な河川堆積物との比較によって, 瀬戸層群に見られる巨礫の入り込んだ礫層は, 礫州へ周囲の風化した基盤岩中から残留巨礫が崩落して入り込んでできたものと考えられる. この礫層の特徴的な堆積構造としてはオブスタクルマークがある. この礫層が形成された場は, 堆積盆地の縁辺部であり, そこでは山麓線が形成されていたとみられる.

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