サルコイドージス研究会誌
Online ISSN : 1884-5967
ISSN-L : 1884-5967
僧帽弁閉鎖不全症として17年間観察された心サ症の1例
ホルター心電図と心臓核医学検査の有用性について
金子 まこと笠貫 宏関口 守衛登坂 正子仁禮 隆田中 悦子堀江 俊伸近藤 瑞香広沢 弘七郎広江 道昭日下部 きよ子田崎 瑛生山根 清美小林 フミ子
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1982 年 2 巻 p. 141-144

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抄録

本症例では当初, 僧帽弁閉鎖不全症として外来で観察され, 15年後に左軸偏位とI度房室ブロック, その2年後に完全右脚ブロック, 完全房室ブロックが出現するのを追求しえ, ペースメーカー植え込みを行った。なおホルター心電図により心室性頻拍が発見され, また心筋生検でサルコイド肉芽腫や毛細管基底膜多層化病変を確認しえた。201Tl心筋スキャンにより左室前壁・中隔壁に欠損像を認め, サ症による広範な心筋病変の存在が疑われた。心室性不整脈に対するステロイド剤投与の効果判定にホルター心電図が有用であるが, ステロイドは不整脈治療に有効とは判定できなかった。これは投与量や期間の不足があったためかもしれない。しかしDHはある程度有効と判断された。以上, ホルター心電図や201Tl心筋シンチが心サ症の病態や治療効果を知る上で有用であった。

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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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