サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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多重癌を合併したサルコイドーシスの3例
片岡 幹男平松 順一鎌尾 高行高尾 和志木村 五郎谷本 安武田 勝行原田 実根多田 慎也中田 安成
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1999 年 19 巻 1 号 p. 39-44

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抄録

サルコイドーシス (サ症) においては, 悪性腫瘍との合併例が数多く報告されている. これまで我々は当科で診断し, 経過観察中のサ症249例の内, 10例に10種, 計14個の悪性腫瘍が認められた. このうち3例は多重癌を合併していた. 症例1はサ症発症後7年目にCLL (B細胞型, IgMλ) を, 15年目に肺扁平上皮癌を合併した. 症例2はサ症発症後21年目に胃癌を, 29年目に大腸癌を合併した. 症例3はサ症発症後13年目に右鼻翼部に基底細胞癌と右足背にBowen病を発症し, 17年目に非ホジキンリンパ腫 (びまん性, 大細胞型, B細胞型) の発症が認められた. 中高年発症のサ症が増加するにつれ, また患者を追跡する期間が長くなるとともに, 患者が高齢化し, 悪性腫瘍合併の危険性はますます高くなる可能性がある.

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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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