サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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3度にわたり腎機能障害と高Ca血症の増悪を繰り返したサルコイドーシスの一例
瀬嵜 良三
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1999 年 19 巻 1 号 p. 81-85

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抄録

患者は62歳女性. 1996年7月微熱8月胸部異常陰影, 体重減少, 腎機能低下sCr4.8mg/dlとなり, 精査のため96年9月入院. 胸部レ線で両側肺門リンパ節腫脹と両側上肺野の粒状網状影, TBLBで壊死を含まない類上皮細胞肉芽腫, ブドウ膜炎に続発した緑内障, γ-GLの上昇, ツ反陰性からサルコイドーシスと診断した. 入院時sCr1.5mg/dl, sCa11.3mg/dl 6日後sCr1.2mg/dl, sCa10.1mg/dlと改善した. 96年12月第1回腎生検施行: 間質に瀰慢性繊維化. 1997年6月sCr2.1mg/dl, sCa12.6mg/dl, 尿蛋白 (±) 第2回腎生検施行: 間質に瀰慢性繊維化, 尿細管周囲の小さな類上皮細胞肉芽腫, 石灰沈着を認めた. 11日後sCr1.2mg/dlsCa9.5mg/dl sと改善した. 退院後再び高Ca血症, 腎機能障害が悪化したため第3回腎生検施行: 前回と同様の所見であった. 本例は高Ca血症による腎障害と考えられた.

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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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