サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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心臓サルコイドーシスの姉弟発症例
岩崎 智子河村 哲治中原 保治望月 吉郎
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2007 年 27 巻 1 号 p. 49-53

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抄録

心臓サルコイドーシスと診断した家族発症例を経験した. 症例1 (姉) 73歳時にサルコイドーシス診断, その1年3ヵ月後に完全右脚ブロック出現, 心臓超音波検査 (心エコー) にて心室中隔基部菲薄化及び左室壁運動低下, ホルター心電図にて非持続性心室頻拍を認め, 心臓サルコイドーシスと診断した. ステロイド治療に対する本人の同意が得られず未治療で経過観察中である. 症例2 (弟) 61歳時にサルコイドーシスと診断, その2年5ヵ月後に完全右脚ブロック出現, 左室造影で壁運動低下を認めた. ステロイド治療を開始するも3ヵ月後に持続性心室頻拍が出現, 電気的除細動を必要とした. この時の心エコーにて心室中隔基部菲薄化あり, 壁運動低下の進行 (EF48%) を認め, 心臓サルコイドーシスと診断した. ステロイド増量及び埋め込み型除細動器 (ICD) の植込みを行ったが, ステロイド漸減中に心室頻拍によるICD作動を認めた. 心室頻拍に対し塩酸アミオダロン内服中である.

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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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