Japanese Journal of Social Psychology
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Reexamination of body image in adolescent Japanese females with new figural stimuli
Tomohiro Suzuki
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2014 Volume 30 Issue 1 Pages 45-56

Details

問題および目的

痩身体型を志向する考えは、人々の間に深く浸透している。それは日本国内において老若男女問わず見られる現象であり、特に若年女性において顕著である。厚生労働省(2013)においては、男性と女性の幅広い年齢層別の痩身希求行動(ダイエット)の実行状況が示されており、そこでは、女性で年齢層が低いほどその割合が高いことが示されている。また、阿保・村澤(2000)倉元(2000)、そして近藤(2001)などのいくつかの研究においても、性別の比較が若年層に限られたり、年齢層の比較が女性に限られたりなど、それぞれ比較の際の対象が制限されてはいるものの、概観すると、若年女性で特に痩身志向性が強いことが確認できる。そして、多くの調査により8割から9割の若年女性が痩身願望を抱いていること(例えば、山口・森田・武田,2000)、また、9割の若年女性が痩身希求行動に関心を持ち、さらに、5割から7割ほどがその経験を有していることなども示されている(例えば、平野,2002)。

痩身志向の背景には、ボディイメージ(身体像;body image)2)の問題が存在するという指摘が数多くなされてきた。そのボディイメージの問題は、主に2つにまとめることができる(Shafran & Fairburn, 2002)。1つは、客観的な体型と、自身の体型として認識しているボディイメージが一致せずに、自身の体型を過大視しているという問題である。程度には幅があるものの、自身の体型を実際より太っている方向に認知するという歪みがあることが報告されている(例えば、平野,2002; 桑原・栗原,2003; 中井・吉川,1987; 中尾・高桑,2000; Shafran & Fairburn, 2002; Thompson & Thompson, 1986)。もう1つは、自身の体型として認識しているボディイメージに対し、理想等のボディイメージが痩身の方向に偏っているという問題である。多くの研究により、理想の体型のボディイメージが現実の体型のそれよりも痩身の方向に設定されていることが示されている(例えば、Barnett, Keel, & Conoscenti, 2001; Fallon & Rozin, 1985; Fingeret, Gleaves, & Pearson, 2004; Shih & Kubo, 2002; Stevens & Tiggemann, 1998)。

上述の2つのボディイメージは、それぞれが「ボディイメージの歪み(ボディイメージの過見積もり)」と「ボディイメージのズレ」の問題として3)、心理学や精神医学の分野を中心に、身体不満や痩身願望等に影響を及ぼしうる要因として扱われてきた。ボディイメージにおけるこの2つの問題と身体不満や痩身願望等との関連を明確にすることは、日本人女性に顕著な痩身志向(藤瀬,2001, 2003; Kusano-Schwar & von Wietersheim, 2005中井,1997; Shih & Kubo, 2005)の背景にある心理機序の解明や極端な痩身志向性への介入を考える際に重要なことといえる。

ボディイメージは、これまでいくつかの方法によって測定が試みられてきた。まず、機器やコンピュータを用いる方法による検討が挙げられる(例えば、Freeman, Thomas, Solyom, & Koopman, 1985; 中井,1998; 中井・夏井,1992; 中井・吉川,1987; 作田・齋藤,2012; Shafran & Fairburn, 2002; Thompson & Thompson, 1986)。身体の写真をコンピュータ等に取り込んだ後にその写真の幅を調整し、そこからボディイメージを測定しようとする方法など、いくつかの種類が考案されている。また、言語的方法により検討がなされることもある(例えば、平野,2002; 桑原・栗原,2003; 中尾・高桑,2000)。自身の体型をどのように認識し評価しているか、「痩せている」、「普通である」、「太っている」などの選択肢から選択するよう求め、そこからボディイメージを把握しようとするものである。そして、シルエット図選択法4)が用いられることもある(例えば、Bell, Kirkpatrick, & Rinn, 1986; Fallon & Rozin, 1985; Stunkard, Sϕrensen, & Schulsinger, 1983; Thompson & Gray, 1995)。これは、痩せている体型から太っている体型までのフリーハンドによる複数の絵の中から現在の自分や理想の自分と思う体型の選択を求め、ボディイメージを知ろうとするものである。これらの方法を用いて、ボディイメージの測定の試みがなされ、ボディイメージの歪みやズレについての検討も数多くなされてきた。

しかし、ボディイメージの2つの問題と身体不満や痩身願望等との関連については、これまで何度も言及されてきているにもかかわらず、直接的に検討した研究は少ない。それだけではなく、そこで得られた知見には限界があるといえる。というのも、ボディイメージの歪みとボディイメージのズレの測定方法そのものに、問題が認められるからである。

ボディイメージの歪みにおける測定方法の問題は、以下のようにまとめられる。ボディイメージの歪みについては、主に、機器やコンピュータを用いる方法や、言語的方法による測定が行われてきた。機器などを用いる方法の多くは,単純に写真を横方向へ引き延ばすなどの方法をとっているため、提示されている画は不自然になる。この場合、自身の体型について痩身–肥満の軸で判断するのではなく、自然な身体の画であるかという判断が交絡してしまっている可能性がある。また、言語的方法を用いた場合には、BMIで対象を恣意的に群分けした後に、自身の体型をどのように認識しているか、「痩せている」、「普通である」、「太っている」などの選択肢から選択するよう求めるため、どのような回答を行った場合にどの程度ボディイメージが歪んでいるのか、その認識の歪みの程度は判断できない。しかも、いわゆる平均的とされる体型のグループにおいては、その半数は平均よりも肥満の側にいることになるため、仮に「太っている」と回答したとしても、認識が歪んでいると単純に結論づけることはできない5)。そして、そもそもボディイメージの歪みがどの程度であるか不明であるため、それが身体不満や痩身願望にどの程度影響しているかについても明らかにすることができない。

また、ボディイメージのズレにおける測定方法の問題は、以下のようにまとめられる。ボディイメージのズレについては、主にシルエット図選択法による測定が行われてきた。これまでも、従来のシルエット図法については、シルエット図のサイズの変化が等間隔でないことや人種が限られることなど様々な問題点が指摘されてきた(Gardner, Friedman, & Jackson, 1998; Gardner, Jappe, & Gardner, 2009; Stewart, Alen, Han, & Williamson, 2009; 鈴木,2007; Thompson & Gray, 1995)。その中でも特に大きな問題は、客観的基準がないことといえる。従来のフリーハンドで描かれて作成されたシルエット図は、あくまでも痩身–肥満の程度によって順番に並べられているだけであり、シルエット図とBMIの対応関係はない。そのため、現在と理想の体型としてそれぞれ選択されたシルエット図がいくつか離れていたとしても、それぞれのBMIが不明で、そして等間隔でもないため、BMIで実質的にどのくらいのズレであるかは算出できない。もし差を算出したとしても、そこには実質的な意味を見いだすことはできない。そのため、これまでの方法でボディイメージの歪みやズレと身体不満等の関連を検討したとしても、そこで得られた結果の妥当性は保証することが難しいといえる6)

なお、シルエット図の客観性などの問題に対しては、BMIが判明している写真を用いたりコンピュータを用いたりといったいくつか対処の試みが行われてはいるが(例えば、藤瀬,2003; Gardner, Stark, Jackson, & Friedman, 1999; Gardner et al., 2009; Harris, Bradlyn, Coffman, Gunel, & Cottrell, 2008; Pruis & Janowsky, 2010; Swami, Salem, Furnham, & Tovee, 2008)、モデルの体格の個体差の問題や汎用性の問題があるだけでなく、従来のシルエット図の問題も多分に残っている。さらに、日本人のボディイメージの特徴を明らかにするという目的に鑑みた場合に、人種による体格の違いという大きな問題も存在する。

ボディイメージ研究において、ボディイメージを適切に測定することは、痩身志向の背景要因の同定に極めて重要といえる。従来は、ボディイメージの歪みやズレと痩身志向性の関連について、その実態が明確にされないままに議論が行われてきた。しかし、これまで述べてきたような問題点を解消したシルエット図を用いて適切にボディイメージの歪みとボディイメージのズレを測定することができれば、今までは得られなかった有用な知見を見いだすことが期待される。例えば、そもそもボディイメージの歪みが実際に存在するのか、そして存在するのであればどのくらいの歪みであるのかについて明確にすることができると期待される。従来は、言語的方法にて「太っている」と回答する人が多いことを元に、ボディイメージの歪みが身体不満や痩身願望等の原因であると言及されることが多かった。しかし、適切なシルエット図を用いることにより、ボディイメージの歪みの実態を明らかにするにとどまらず、ボディイメージとの関連が想定される事象(例えば、痩身願望や食行動等)との関連性を議論するうえで、その前提条件を従来と異なるところに置くような知見を見いだし、それらの議論をより適切な結論に導く可能性がある。

また、ボディイメージのズレと身体不満等との関連についても明確にすることができると期待される。その際、理想像のみならず、他の種類のボディイメージも併せて扱うことにより、理想像の位置づけがより明確になると考えられる。これまで、女性自身が理想とする体型は、他の女性が魅力的と思うであろうと女性が想定する体型よりも痩身に偏っており(例えば、Grossbard, Neighbors, & Larimer, 2011; Shih & Kubo, 2002)、また、男性が魅力的と思うであろうと女性が想定する体型よりも痩身に偏っている(例えば、Barnett et al., 2001; Fallon & Rozin, 1985; Grossbard et al., 2011; Hildebrandt & Walker, 2006)ことなども示されている。さらに、実際の男性側の評価との差異について検討するものもあり、そこでは、実際に男性が魅力的と評価する体型よりも痩せた体型を女性自身は理想としていることなどが示されている(例えば、Bergstrom, Neighbors, Lewis, 2004; Fallon & Rozin, 1985; 藤瀬,2003; Grossbard et al., 2011; 今田,1996; Rozin & Fallon, 1988; Shih & Kubo, 2002)。

しかし、理想像をはじめとする様々なボディイメージの位置関係についての検討は行われてはいるものの、極めて探索的に扱われるのみであり理論的考察などもなされておらず、また、それらのズレが痩身志向性にどのように関連しているかの検討もほとんど行われていない状況にある。それは、従来のシルエット図の問題のために、そもそもズレを明確にすることができなかったことが一因として考えられる。つまり、実質的なズレが不明なため、複数のズレの程度の比較なども行うことができず、さらに、身体不満や痩身願望等との関連を検討した場合に、どのボディイメージ間のズレが最もそれらに関連しているかも明確にすることができなかったといえる。

このような状況において、種々のボディイメージのズレを適切な方法で明確にすることは、その実態を明らかにするだけではなく、これまでとは異なりどのボディイメージのズレが身体不満や痩身願望等に関連しているのか、明確にすることができるといえる。さらに、その関連性を明らかにすることは、身体不満等の背景機序を検討する際にいずれのズレに焦点をあてて検討すべきかの示唆を与え、また、蔓延している痩身志向性への心理教育的介入等を行う際にどの点に焦点をあてるのが有効であるかといった応用面での有益な示唆を与える可能性がある。

本研究は、若年日本人女性のボディイメージの歪みとズレが身体不満や痩身願望等の身体意識とどのように関連しているか、適切なシルエット図を用いて明らかにすることを目的とする。しかし、それに先立ちボディイメージの歪みとボディイメージのズレの実態について改めて明確にしておくことも大切なことといえる。そこで、今回は、以下の流れで検討を進めることにする。(1)ボディイメージの歪みの程度の実態について明確にする。(2)現在と理想のボディイメージのズレについて明確にする。その際に、他の様々なボディイメージも併せて扱い、それらの位置づけについても明らかにする。なお、女性のボディイメージの特徴を明確にするために、男性の評価も扱い比較検討する。(3)種々のボディイメージ間の関連、および、それらのボディイメージと身体不満や痩身願望等との関連について検討する。これらの検討により、従来では明確にしえなかった、痩身志向の背景にあるボディイメージの諸特徴や性質を明らかにしつつ、その関連性を明らかにすることが期待される。

方法

対象

関東圏および関西圏の私立大学生の大学生女子170名(平均19.42歳、標準偏差1.34)、男子177名(平均20.23歳、標準偏差1.65)の計347名を対象とした。

調査票

シルエット図

本研究では、Japanese Body Silhouette Scale type-I(J-BSS-I; 鈴木,2007)を使用した。J-BSS-Iは、「日本人の人体計測データベース1992–1994」を元に作成された客観的基準を有するシルエット図であり、痩せている体型から太っている体型までのBody Mass Index(BMI)ごとの9体のシルエット図で構成されている。J-BSS-Iはシルエット図ごとに元となったデータのBMIの範囲が明確であり、また、BMIで等間隔に作成されているため、回答者が選択したシルエット図から、自己の身体を正確に把握しているか否かを把握し7)、また、ズレについてもBMIでいくつ分かといったことを整数単位ではあるが客観的指標で算出することが可能となる。さらに、Visual Analogue Scale(以下、VAS)に類する方法を組み合わせて実施することにより、連続的なBMIの値へと変換し、ボディイメージの歪みやズレを連続量として扱うことも可能となる8)鈴木,2007)。このように、J-BSS-Iによって、今まで客観的に扱うことができなかったボディイメージの歪みや、様々なボディイメージ間のズレを、BMIという客観的基準で把握し、また、いずれのズレが身体不満などの他の指標と関連しているかについて適切に把握することが可能となる。なお、自然さやリアルさなどについて、従来のものより優れていることが確認されている(鈴木,2007)。

今回は、VASによる計測を行うために、シルエット図を提示するとともに、シルエット図に合わせて補助目盛を入れた直線も下部に提示し、以下の各内容について直線上のあてはまる箇所に線で印を付ける形式で回答を求めた(Figure 1)。女性回答者に対しては、「現在の体型(以降、現在体型)」、「理想の体型(以降、理想体型)」、「若い女性の平均的な体型(以降、平均体型)」、「一般的に女性が魅力的と思うであろう体型(以降、女性視線魅力体型)」、「一般的に男性が魅力的と思うであろう体型(以降、男性視線魅力体型)」を尋ねた。男性回答者に対しては、「魅力的と思う女性の体型(以降、男性認識の魅力体型)」、「若い女性の平均的な体型(以降、男性認識の平均体型)」、「一般的に女性が魅力的と思うであろう体型(以降、男性認識の女性視線魅力体型)」、そして、「一般的に男性が魅力的と思うであろう体型(以降、男性認識の男性視線魅力体型)」を尋ねた。シルエット図に対して、質問内容ごとに回答用の直線を設定し、それぞれに回答を求めた9)。なお、直線はBMI換算で最小値は15.5、最大値は25.5の範囲で設定した。

Figure 1 J-BSS-Iの使用例および回答記入例

注)‌実際には、痩せている体型から太っている体型までのBMIごとの9体のシルエット図を提示した。両端の2つずつを、ここでは掲載している。なお、左端のシルエット図はBMIで16.0~17.0の範囲の身体計測データから作成されたものとなる(鈴木,2007)。

そして、女性に対しては、身長と体重についての回答を求め、その回答からBMIを算出した(以降、「現実体型」)。現実体型のBMIの平均値は20.45(N=134)であり、同年代女性における一般的な値と同程度であった。

身体認識

現在の体型をどのように認識し評価しているか、「1. かなり痩せている」から「5. かなり太っている」の5件法で回答を求めた。この言語による回答は、現在体型との関連が認められると想定される。

身体不満

現在の体型についてどのくらい満足しているか、「1. まったく満足していない」から「5. とても満足している」の5件法で回答を求めた。なお、以降の分析では、満足していないほうが得点が高くなるように得点を逆転して用いた。

痩身願望

馬場・菅原(2000)による痩身願望の程度を測定する11項目から構成されている尺度への回答を求めた。「1. まったくあてはまらない」から「5. 非常にあてはまる」の5件法で回答を求めた。

痩身希求行動

ダイエットの実行段階について尋ねる項目への回答を求めた。「1. ダイエットに興味がない」、「2. ダイエットに興味はあるが今のところ行う予定はない」、「3. ダイエットに興味があり近々行う予定である」、および「4. 現在ダイエットをしている」のいずれかについて選択するように求めた。

時期および実施方法

2005年11月から12月に、主に講義中に実施した。倫理的な配慮について説明し同意を得た者のみを対象とした。

結果

予備的処理

シルエット図を用いて得られた各ボディイメージの回答について、1ミリ単位で測定した。その後、シルエット図の元となっているBMIの値を基準としてBMI相当の値に換算した(鈴木,2007を参照)。各ボディイメージの平均値および標準偏差の位置づけをFigure 2に、また、記述統計量をAppendixに示す。

Figure 2 女性回答者における「現実体型」と女性のボディイメージ、および男性回答者における女性のボディイメージ

注)矢印は平均値を、箱は±1 SDの範囲を示す。

「現実体型」は女性の回答者の実際の体型。

女性回答者における女性のボディイメージについて、「現在体型」は現在の体型、「理想体型」は理想の体型、「平均体型」は若い女性の平均的な体型、「女性視線魅力体型」は一般的に女性が魅力的と思うであろう体型、「男性視線魅力体型」は一般的に男性が魅力的と思うであろう体型。

男性回答者における女性のボディイメージについて、「男性認識の魅力体型」は魅力的と思う女性の体型、「男性認識の平均体型」は若い女性の平均的な体型、「男性認識の女性視線魅力体型」は一般的に女性が魅力的と思うであろう体型、「男性認識の男性視線魅力体型」は一般的に男性が魅力的と思うであろう体型。

ボディイメージの歪み

はじめに、自己申告の身長と体重から算出した現実体型と、シルエット図による現在体型の差異について検討した。その結果、現実体型(M=20.45, SD=2.29)10)よりも現在体型(M=21.08, SD=2.35)が高値であることが示された(t(133)=3.97, p<.001)。また、相関分析の結果、現実体型と現在体型には強い関連が認められた(r=.68, p<.001, n=134)。

種々のボディイメージのズレ

女性回答者における女性のボディイメージの比較 女性回答者自身の認識におけるボディイメージの値について一要因分散分析を行ったところ有意であり(F(4, 676)=169.77, p<.001)、ボンフェローニ法による多重比較の結果、理想体型と女性視線魅力体型、そして平均体型と男性視線魅力体型の組み合わせ以外の組み合わせにおいて0.1%水準で有意差が認められた。現在体型よりも平均体型と男性視線魅力体型は低値であり、また、理想体型と女性視線魅力体型はそれらよりもさらに低値であった。

女性回答者における女性のボディイメージと男性回答者における女性のボディイメージの比較 女性自身のボディイメージと男性が有する女性のボディイメージの比較からは、以下の点が明らかになった。まず、女性の理想体型は男性認識の男性視線魅力体型よりも有意に低値であることが確認された(t(337.38)=7.82, p<.001)。そして、女性の認識による女性自身の平均体型は男性認識の平均体型よりも有意に低値であることが示された(t(339.70)=4.26, p<.001)。また、女性の理想体型と男性認識の女性視線魅力体型は同程度であることが示された(t(345)=0.69, n.s.)。

男性回答者における女性のボディイメージの比較 男性回答者の認識におけるボディイメージの値について一要因分散分析を行ったところ有意であり(F(3, 528)=81.52, p<.001)、ボンフェローニ法による多重比較の結果、男性認識の魅力体型と男性認識の男性視線魅力体型の間には有意差は認められず、それ以外の組み合わせにおいて0.1%水準で有意差が認められた。男性認識の女性視線魅力体型は男性認識の魅力体型や男性認識の男性視線魅力体型よりも低値であった。

種々のボディイメージと身体不満や痩身願望等との関連

女性における種々のボディイメージから算出されたBMI間の相関分析の結果をTable 1に示す。現在体型と平均体型、女性視線魅力体型、男性視線魅力体型の間を除き、中程度から弱い関連があることが示された。

種々のボディイメージおよびズレが、身体認識、身体不満、痩身願望、および痩身希求行動とどの程度関連しているか、相関分析により検討した。その際、現在と他のボディイメージとの差をズレとして扱った。それらの相関分析の結果をTable 2に示す。身体認識は、単独では現在体型とのみ関連が認められ、その関連の程度はかなり強いものであった。また、身体認識とすべてのズレの指標との関連の程度は、現在体型の単独における関連の程度と大きく変わらないものであった。なお、身体認識の平均値は3.58(SD=0.88)、また、身体認識で「3. ふつうである」と回答した者の現在体型は20.04(SD=1.13)であった。身体不満や痩身願望、そして、痩身希求行動は、現在体型と中程度の強さで関連しており、他のボディイメージとの関連の強さは、現在体型とのそれに比べ小さいことが明らかになった。また、すべてのズレの指標との関連の程度は、現在体型の単独での関連の程度とそれほど大きく変わらないことが示された。

Table 1 種々のボディイメージ間の相関分析結果
現在体型理想体型平均体型女性視線魅力体型男性視線魅力体型
現在体型
理想体型.20**
平均体型.06.32***
女性視線魅力体型.12.62***.37***
男性視線魅力体型.05.44***.40***.64***

N=170, ** p<.01, *** p<.001。値はPearsonの積率相関係数。

Table 2 各ボディイメージと身体認識や身体不満等との相関分析の結果
身体認識身体不満痩身願望痩身希求行動
現在体型(A).82***.42***.54***.47***
理想体型(B).08−.13−.23**−.06
平均体型(C)−.11−.24**−.25**−.13
女性視線魅力体型(D)−.04−.17*−.29***−.17
男性視線魅力体型(E)−.04−.13−.16*−.10
A–B.74***.47***.64***.49***
A–C.80***.49***.61***.50***
A–D.77***.47***.65***.51***
A–E.72***.43***.55***.45***

N=170, * p<.05, ** p<.01, *** p<.001。身体認識、身体不満、痩身願望についてはPearsonの積率相関係数、痩身希求行動についてはSpearmanの順位相関係数。

考察

ボディイメージの歪み

現実体型と現在体型についての分析より、ボディイメージの歪みの実態について明らかになったといえる。まず、現実体型よりも現在体型が高値であることが示された。つまり、自己の身体を過大に評価していることが示されたといえる。これは、従来の研究で示されてきた内容と一致する。また、相関分析の結果、現実体型と現在体型はそれなりに共変していることが確認された。現実体型と現在体型の標準偏差の値が同程度であることを併せて考えると、全体的に少しずつ太めの方向に認識がなされているといえる。

しかし、今回の結果からは、BMIでの実質的な差異が0.63(3.5%の過見積もり)11)であることも示されている。この値の大小の意味を絶対的基準で判断することは難しいが、少なくとも今回の結果からは、女性のボディイメージの歪みはこれまで言及されてきたほどの大きな歪みではないということがいえる。これまで、機器を使用した測定方法により数パーセントから数十パーセントの過見積もりが見受けられること、さらに、BMIで痩せ群であっても自分を「普通」や「太っている」と回答する者が多く存在することなどから、ボディイメージの歪みを痩身志向性の背景要因とする多くの言及がなされてきた。しかし、女性の身体に対する認知の歪みは身体以外の物体に対するそれに比し決して大きくはなく、数パーセントであるという結果(今田,1996; 作田・齋藤,2012)も示されている。今回の結果も併せて考えると、ボディイメージの歪みは身体に限らず物体一般を対象に見られる認知の歪みの範囲内にあり、その程度もそれほど大きくはないといえる。

これまでは、シルエット図に客観的基準が存在せず、選択されたシルエット図がどの程度の痩身–肥満を表しているかは不明であった。そのため、あるシルエット図を自身の体型として選択した場合に、ボディイメージの歪みの程度がどの程度であるかも不明であった。しかし、今回使用したシルエット図により、具体的かつ高い精度で歪みの程度を示すことが可能となり、そして、そこで示された具体的な歪みの程度から、ボディイメージの歪みが従来いわれてきたような大きなものではないということが明らかにされたといえる。このことは、研究や心理教育的介入において、痩身志向性に対してボディイメージの歪みに焦点をあてたアプローチを行うことが適切でない可能性を示しているといえる。

種々のボディイメージのズレ

女性回答者における女性のボディイメージの比較

理想体型は極めて低い値であり、現実体型より有意に低値であった。理想体型の値は、メディア等でモデル体型として提示されているBMIの値と同程度である。現実離れした体型がメディア等を通して同性間で魅力の基準として共有されている可能性がある。また、現在体型のちらばりの大きさ(SD=2.27)に比し、理想体型のちらばりは小さいことが確認できる(SD=1.32)。数値で直接尋ねた今井・増田・小宮(1994)によっても、類似した結果が報告されている。理想像が共有されているために理想像の回答が比較的収束している可能性がある。従来は、ボディイメージにおいて理想とする体型が現在の体型に対してどのように位置づけられているか十分に明確にすることができなかった。しかし、今回の結果からは、比較的共通した理想像の周囲に自身の理想を設定していることがうかがえた12)

女性は、平均的な体型の女性を男性が魅力的と感じているであろうと認識していることも示された。平均体型と男性視線魅力体型は理想体型よりも高値である。つまり、女性自身は、推測とはいえ男性の側の評価とは関係なく自身の理想を設定していることが示されたといえる。これは、後の女性回答者と男性回答者における女性のボディイメージの比較でも再確認できる。

理想体型が平均体型よりも有意に低く、そして、女性視点魅力体型と同程度であることも示されている。このことは、これまで指摘されてきたような、同性との競争(杉森・菅原,2003; 竹内・早野・神谷・堀・向井・藤波,1991; 若水,1999)を引き起こしている可能性がある。まず、先述のように、メディアなどの影響を受けて同性間で理想像が共有されている状況が想定される。このような状況において、個々人がその理想像を達成すべき基準とみなし、また、お互いの視線を意識しながら、その理想へと近づこうとしている可能性がある。そして、平均よりも低い理想を追求することは、結果として全体が痩せの方向へと推移することになり、最終的には平均を押し下げることにつながる。つまり、女性は自身そして他の同性が魅力的とみなしている痩せた体型を獲得しようとし、平均という後ろから迫ってくる壁に追われながら、痩身というゴールを目指す競争を行っている可能性、もしくはその競争にまきこまれている可能性が考えられる。日本人女性のBMIの顕著な小ささ(社会実情データ図録 Honkawa Data Tribune, 2011)は、このような競争の結果なのかもしれない。メディアが理想のボディイメージに及ぼす影響や、それらと同性間の競争との関連については、今後、検討する必要がある。理想がどのようなプロセスで形成されるかを明らかにすることは、日本人女性の極端な痩身志向(藤瀬,2001, 2003; Kusano-Schwar & von Wietersheim, 2005; 中井,1997; Shih & Kubo, 2005)に対する心理教育的指導や介入にも役立つと考えられる。なお、平均体型は現実体型よりもBMIで2程度、痩身の方向に偏っており、これがさらに競争を助長している可能性がある。

女性回答者における女性のボディイメージと男性回答者における女性のボディイメージの比較

女性の理想体型は男性認識の男性視線魅力体型よりも痩せていることが確認された。先の、女性における男性視線魅力体型および女性視線魅力体型の結果と今回の結果を併せて考えると、女性回答者における推測に限らず、実際に、男性回答者の側の認識との差異が存在することが確認されたといえる。つまり、女性は男性が実際にどのように考えているかは関係なく自身の理想を設定していることが明確となったといえるであろう。これまで、女性が痩身を求める要因として男性の視線が強調されることもあったが(例えば、浅野,1996)、女性においては異性の視線よりも同性の視線のほうが理想に影響を及ぼしていると考えられる。これは、先述の同性間の競争とも関連しているであろう。また、女性の認識による女性自身の平均体型は男性認識の平均体型よりも痩せていることも示された。男性が有する女性の平均に対する認識は、確かに痩せている方向に位置している。しかし、先述のように、女性においても平均の認識が正確ではなく、その程度は男性よりも大きい。ここにも、男性と女性の認識の差異が現れている。そして、女性の理想体型と男性認識の女性視線魅力体型が同程度であることも示されている。ここからは、女性が現実の平均よりもはるかに痩せた体型を理想としているということを男性側は比較的正確に認識していることが示唆される。

男性回答者における女性のボディイメージの比較

男性認識の魅力体型と男性認識の男性視線魅力体型の間には違いが認められず、それ以外の組み合わせにおいて違いが認められることが明らかとなった。男性認識の女性視線魅力体型は男性認識の魅力体型や男性認識の男性視線魅力体型よりも痩せていた。先に示された、男性認識の女性視線魅力体型と女性の理想体型が同程度であることを併せて考えると、男性は、女性が抱く理想を比較的正確に認識したうえで、女性の理想の基準が男性側の魅力の基準とは異なっていると考えていることがうかがえる。また、男性認識の魅力体型は男性認識の男性視線魅力体型と同程度であり、男性認識の平均体型よりやや低値であった。つまり、男性は平均よりもやや痩せた女性を魅力的と思い、そしてそれは他の男性も同じであると思っているということが示されたといえる。これらを併せて考えると、男性は、平均の認識自体が現実の女性の平均よりも痩せの方向に偏っているとはいえ、女性側の認識に比べるとある程度現実的な範囲で魅力の判断を行っていることがうかがえる。先述のように、女性の痩身志向の背景要因として、男性からの圧力が挙げられることも多い。しかし、上記の結果からも、女性の痩身志向を男性からの圧力に帰属させるような従来の言説は、必ずしも適切とはいえない可能性がある。女性からの評価や同性間の競争という観点で、改めて痩身志向性を扱い検討していくことが重要といえる。

ボディイメージのズレについて、従来の方法では、BMIで実質的にどのくらいのズレであるかは算出できず、また、それぞれの位置づけも十分に明らかにできなかった。しかし、客観的指標を有するシルエット図を用いることにより、例えば、理想がどの程度の位置づけにあるのか、そして、種々のボディイメージがそれぞれどのような位置づけであるのか、探索的とはいえ、これまでとは異なり適切にその状態を明確にすることができたといえる。

種々のボディイメージと身体不満や痩身願望等との関連

女性における種々のボディイメージ間については、現在体型と平均体型、女性視線魅力体型、男性視線魅力体型の間を除き、中程度から弱い関連があることが明らかになった。この結果に、現在体型の平均値が他の値と離れていたこと、さらに、現在体型が現実体型と比較的一致していたことを併せて考えると、現在の自身のボディイメージは比較的に現実に対応して構築されているものと考えられる。また、現在体型と理想体型の関連性が小さいことも示されている。先の、現在体型よりも理想体型が比較的狭い範囲に設定されていることを併せて考えると、少なくとも、理想が現在を基準として一律マイナス何kgと設定されているわけではなく、現在と独立して理想像が設定されていると考えられる。そして、理想体型と女性視線魅力体型の間、および、女性視線魅力体型と男性視線魅力体型の間に強い関連があることも示され、理想像は魅力という要因と強く結びついていることが示唆されている。女性の間で共有され、そして自身の体型とは独立して位置づけられている理想像は、先述のようにメディアや他者の視線の影響を受けて形成されている可能性がある。理想像については、後に再び考察を行う。

ボディイメージと身体認識の関連についての検討からは、以下の結果が得られた。身体認識は現在体型とのみ関連し、その関連の程度はかなり強い。また、身体認識とすべてのズレの指標との関連の程度は、現在体型の単独における関連の程度と大きく変わらない。加えて、身体認識は太っている方向に偏り、また、身体認識で普通と評価した者の現在体型は、平均よりも痩身に偏っている。これらの結果から、女性は比較的痩せた体型を基準と設定しているために、痩身–肥満の評価が全体として太っている方向に偏っていることがうかがえる。先述のボディイメージの歪みの程度を併せて考えると、自身の体型の視覚的な認識は比較的正確でありながらも、評価としての認識が全体的に太っている方向へ偏っているといえる。

身体不満や痩身願望、そして、痩身希求行動は、現在体型と中程度の強さで関連しており、それ以外との関係は現在体型とのそれに比べ小さいものであった。また、すべてのズレの指標との関連の程度は、現在体型の単独での関連の程度とそれほど大きく変わらないことも示された。このように、少なくとも今回扱ったボディイメージの中では、理想や平均などではなく現在の体型をどのように認識しているかということが、身体不満等を最も規定しているということが示された。これまで述べてきたように、ボディイメージの歪みそのものはそれほど大きくないこと、痩身–肥満の評価が太っている方向に偏っていることを併せて考えると、若年女性における痩身志向性は、比較的正確に認識した体型に対して、若干太っている方向に偏った評価を行っているための反応ということが可能かもしれない。さらに、もし、ボディイメージの歪みの程度が比較的大きい個人においては、その歪みの程度に伴って認識した体型も肥満の方向に移行するため、その分、身体不満を強く感じるというプロセスが生じている可能性もある。また、他者の視線やそれと関連すると想定される理想像が痩身志向性と関連していないことも示されている。従来、痩身志向性の背景要因として理想像の痩身の側への偏りが指摘されてきたが、今回の結果からは、必ずしも理想像が直接的に影響しているわけではないことが示唆されたといえる。

これまでの知見から、以下のように考察することができる。痩身志向性と結びつく最も大きな要因は、現在の自分の体型をどのように視覚的に認識するかであるが、そこにはあまり大きな歪みは認められない。現在の体型を視覚的に認識した際に、それを太っていると評価してさらにネガティブな感情を抱くことが、痩身志向性の誘発に関わる重要なポイントとなっている可能性がある。そして、その太っているといった評価は、メディアなどの影響を受けて同性間で共有されている理想像が基準としての役割を果たしている可能性がある。先述のように、理想像は認識した現在の体型とは比較的独立している。この一種の評価基準に照らし合わせて現在の体型が評価され、そこで生じたネガティブな反応が痩身志向性の重要な背景要因になっていると考えられる。つまり、例えば平均的な体型の人が正しく現在の体型を視覚的に認識していたとしても、それが共有された理想像に対して太っている方向にあるため、自身を太っていると評価し、不満を抱き、そして痩身を希求している可能性がある。また、太っている人は痩せている人よりも、認識した現在の体型が理想像から大きく隔たっているため、それに伴い、太っているという評価の程度も大きくなり、結果として痩身志向性がより強く喚起されると考えられる。そのため、もし、身体に対する不満や極端な痩身志向性などに対して介入を行う際には、認識した現在の体型に対する評価、そしてそこに付随するネガティブな感情などに焦点をあてることも有用である可能性がある。身体の規範が固定化しているからこそ、身体の評価が多様性を失い、多くの女性が痩身志向に囚われてしまっているといえる。以上、いずれのボディイメージが痩身志向性の背景要因として重要であるかが示され、また、どこに焦点をあてて検討するのが有用かについての示唆が得られたといえる。

なお、すべてのズレの程度が同程度に身体不満等と関連していることも示されている。先述のように、各ボディイメージ間の関連性からは、魅力に関わる要因は理想の構築に大きく寄与していることが示されている。この結びつきがあるため、理想以外と現実のボディイメージのズレにおける身体不満等との関連性が、理想と現実のボディイメージのズレにおける身体不満等との関連性と同程度になった可能性がある。理想像が種々のボディイメージの中でどのように位置づけられ、そしてどのように構築されていくのか、さらに、理想像が共有され収束しているということがどのような影響を及ぼすのか、これらについて今後検討していくことも、ボディイメージと痩身志向性の理解につながると考えられる。

ところで、現在体型は身体不満、痩身願望、そして痩身希求行動のすべてと同程度に関連していた。身体不満と痩身願望、また、痩身希求行動のそれぞれの関連の機序についてはこれまでも明確にされておらず、今後のさらなる検討が必要である。その際、以下の観点について検討を進めることが有用と考えられる。身体不満と痩身願望については、痩身によるポジティブな結果と非痩身によるネガティブな結果のどちらに焦点をあてるかにより関連の程度が異なってくる可能性が考えられる。また、BMIの程度による層別の検討によって関連性に差異が認められる可能性もある。そして、痩身希求行動については、痩身願望や他の要因がボディイメージとの媒介要因もしくは調整要因になっている可能性がある。これらについて、今後検討することも、痩身志向の背景機序の解明に寄与すると考えられる。

まとめ

本研究は、若年日本人女性のボディイメージが身体不満や痩身願望等とどのように関連しているか、客観的シルエット図を用いて明らかにすることを目的とした。また、それに先立ち、ボディイメージの歪みとボディイメージのズレの実態について明らかにすることも目的とした。本研究で明らかになった主な内容をまとめると以下のとおりである。まず、若年女性の現在の自身の体型についての認知の歪みは確かに存在するが、その歪みの程度はそれほど大きいものではない。また、女性の同性同士の視線が、痩身願望を増長する要因である可能性がある。そして、理想が極めて痩せた体型であり、その理想を基準として現在の体型を評価し、そこでの反応が身体不満や痩身願望などに関連している可能性が考えられる。この他にも、本研究により、様々なボディイメージ間の差異や関連の程度など、若年女性のボディイメージの特徴が明らかになった。今回、客観的基準を有するシルエット図を用いることによって、従来のシルエット図では得られなかった有用な知見を得ることができたといえる。今後、理想などのボディイメージの構築に関わるプロセスなどを適切な方法にて明らかにすることが、日本人女性に顕著な痩身志向(藤瀬,2001, 2003; Kusano-Schwar & von Wietersheim, 2005; 中井,1997; Shih & Kubo, 2005)の背景にある心理機序の解明に寄与し、また、過度の痩身志向性に対する心理教育的アプローチの構築にも寄与すると期待される。

Appendix 女性回答者における「現実体型」と女性のボディイメージ、および男性回答者における女性のボディイメージの記述統計量
平均値標準偏差最小値最大値中央値下側四分位点上側四分位点歪度尖度N
現実体型20.452.2914.2029.0020.4019.0721.480.621.52134
現在体型21.162.2715.6425.2921.2519.6822.64-0.19-0.36170
理想体型17.741.3215.4621.5017.5016.5018.500.58-0.21170
平均体型18.871.1615.8221.7518.7718.0419.61-0.07-0.40170
女性視線魅力体型18.021.3315.6122.5018.0417.0019.000.42-0.06170
男性視線魅力体型18.561.5415.6823.7918.5017.5019.500.590.51170
男性認識の魅力体型18.971.6015.7123.5018.7917.7919.960.28-0.11177
平均体型19.451.3715.7523.6419.5018.6120.50-0.160.45177
女性視線魅力体型17.641.3715.5021.5017.3916.5018.500.72-0.14177
男性視線魅力体型18.921.4615.7922.5018.7118.0019.790.27-0.12177

注)Figure 2においては見やすさを重視して並べ替えを行っているため、順番が異なっている。

References
 
© 2014 The Japanese Society of Social Psychology
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