学校ソーシャルワーク研究
Online ISSN : 2758-5018
Print ISSN : 1881-9788
論文
教師が子ども・保護者対応に関するサポートを求める要因
―校内検討機能の欠如に関する媒介効果―
厨子 健一
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2012 年 7 巻 p. 2-13

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抄録
本研究の目的は,教師の子どもや保護者の問題への困り感,校内検討機能の欠如,子ども・保護者対応に関するサポートの必要性の関連性を明らかにすることである.分析方法は,大阪府内26市町村に勤務する教師3,089人のデータを活用した量的分析である.結果,教師の子どもの潜在的問題への困り感,保護者の子どもに対する無関心への困り感,学校に対する過度の要求への困り感が,校内検討機能の欠如をもたらし,最終的に,教師は子ども・保護者対応に関するサポートを必要としていることが示された.以上のことから,校内検討機能を促進させる支援の提供が,学校現場における子どもや保護者の問題解決,教師の疲弊感・ストレスの軽減に向けて重要であると推察された.さらに,校内検討機能を促進させる上で,スクールソーシャルワーカーの専門性発揮が重要であることを指摘した.
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© 2012 日本学校ソーシャルワーク学会
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