主催: 日本ソフトウェア科学会
並行計算モデルLMNtalは非常に統一的な枠組みであるため,処理系の実行を効率化するための方法論およびそれを支援する理論的な体系の研究が必要とされている.本発表では,データ型およびその上の演算子を導入することによってLMNtalプロセスの形状を表現し,それを元にしてLMNtalプロセスの振舞いを定式化する方法を提案する.この方法により,特定の計算の可能性に関する推論を操作的意味論を用いて直接的に定式化することが可能になった.提案する定式化を実際の解析に応用する例として,LMNtalプロセスから外界とのインタラクションなしに実行できる部分を体系的に抽出する様子を紹介する.