主催: 日本ソフトウェア科学会
PSD (Programmable Structured Documents) は構造化文書を計算可能なプログラムとして捉えることで安全な文書処理を実現する機構である. その計算の実行(評価)は文書を保持するエディタ等のプロセスとは別の外部評価器により行われるため, 評価される文書をプロセス間で授受する効率的な手段が必要となる. By-Need DOM は外部評価器が他のプロセスが保持している文書へ効率的にアクセスするための汎用の手段を与える. By-Need DOM では, 外部評価器で文書の評価が進行し文書の一部が必要となる都度その部分のみを転送するため, 実際に転送される文書量は最小限になる. 文書の部分の指定には XPath のサブセットが使用されるため, 文書データをDOM 等により保持するサーバとの親和性は高く実装も容易である. また, By-Need DOM ではPSD の外部評価器で必要となる必要最小限のアクセスメソッドのみを実装しており, シンプルであるためその移植性は高い.