2001 年 31 巻 1 号 p. 83-93
1995年と1996年に農業関係学科をおく高等学校から改編した総合学科の3高校の事例を取り上げ、農業科目を中心に教育課程の編成について検討した。科目選択制に関して、高等学校学習指導要領の必修選択科目を生徒の選択に委ねるものから学校必修とする学校まで多様な方法が存在した。総合選択科園群(系列)の設定に関して、改編前の学科の影響を受ける場合から、改編前の専門学科の科目を残しながらも多くの新たな系列が設定される場合があった。系列の扱いについても、単なる履修の目安として選択制を強調する場合からコース制に似た履修の枠組みとして、クラス編成と関連づけている場合まであった。年次を越えた履修形態は、農業科目の履修の機会を拡げていた。一方、年次を跨いだ科目履修は、系列を基盤とする科目履修にとって有効な方法となっていた。高等学校総合学科における教育課程の編成は、多様な形態が存在していた。