本稿は、特許文献を用いた先行技術調査について、人材育成上の留意点を提示しようとするものである。講師として参加した研修プログラムを分析した結果、講義/模擬演習/実習・討論の組合せが重要であること、先行技術調査の能力向上には経験年数が必要なこと、及び、初期段階において進歩性判断の考慮を心がけることにより能力向上が強化されることが明らかとなった。その一方で、インデックス検索の考慮、及び、スクリーニング件数の絞込みについては、明確な傾向は見いだせなかった。今後、技術分野を超えたさらなる検討が必要である。