1980年代後半以降、わが国の就農政策は農家後継者対策から青年農業者対策となり、さらには地域農業の担い手確保対策へと拡大していった。その間、担い手論も家業継承論的なものから農外人材も含めた経営継承論的なものへと変遷していく。やがて改正農地法の施行(2009年)で経営の法人化が加速すると家業としての農業は就職としての農業へと変貌する。今や、担い手の育成は農業法人における人材育成論の重要課題である。本論では、雇用就農者のキャリア形成に焦点をあてながら同分野の研究史を俯瞰して、その課題と接近方法を検討する。