移植
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レシピエントの社会参加の現状「当事者が感じる、障害者雇用と移植者のメリット、デメリット」の一例
加藤 みゆき
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2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s138_1

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抄録

発表はあくまで一個人の経験に基づき分析したものである。

【目的】自身の経験を、今後のレシピエントの社会参加に役立てたい。

【方法】移植後の職歴

(2002年 血液透析導入 退職)

2010年 膵腎同時移植

2013年 障害者就職支援サービスを利用し、社会復帰。

2016年 身体の負担が大きくなり、上司に相談。着座業務に転属。

2018年 有期雇用から無期雇用に。

2024年 現在に至る。

【結果】

レシピエントは他の障害者よりも社会参加が有利である。

障害者支援サービスの利用が有効。

大企業やグループ会社の方が働きやすい。

上司の理解を得ることが大切。

社内相談窓口、社外相談窓口の利用には注意が必要である。

本人が辞意を表さない限り働ける。

【考察】

レシピエントは外見からは障害がわかりにくく、通院回数も他の疾患より少ないため有利。

障害者雇用先を知り尽くしており、親身に対応。こちらの希望に添う企業を紹介してくれるため。

企業にも従業員数に対するノルマがあるため、大きい企業の方がたくさんの障害者を採用しており、障害者雇用のノウハウもある。業種も多岐にわたるため。

体調、配慮して欲しいこと等、はじめに上司の理解を得ておくことが、きめ細かい対応を得られ、長く務め続けることが出来る要員となる。

相談窓口は守秘義務があるが、現実的には会社に伝わり人事評価に影響するため。

会社側からは、採用した従業員を雇用を辞めることはほぼ不可能である。

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