移植
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当科で経験した動脈硬化を有する生体腎移植術の4例
谷藤 暁吉田 峻祐加藤 容二郎吉武 理
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2024 年 59 巻 Supplement 号 p. s360_3

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抄録

動脈硬化は腎移植術中における血管合併症のリスクであるがレシピエントは進行した動脈硬化を有することも多くしばしば術中対応に苦慮する。今回、生体腎移植で進行した動脈硬化を認めた症例を4例経験したため若干の文献的考察を加え報告する。【症例1】50代男性 原疾患糖尿病性腎症 腹膜透析歴2年妻をドナーとする右腸骨窩生腎移植術の方針。CTで冠動脈を含む胸部から骨盤にかけての石灰化を認めた。手術時間6時間24分、総阻血時間2時間50分、出血183ml。【症例2】70代男性 透析歴1年  閉塞性動脈硬化症に対して腹部大動脈バイパス術,左右大腿動脈内膜剥離術の既往がある。妻をドナーとする生体腎移植術の方針となり右同所性腎移植術を施行。手術時間10時間0分、総阻血時間1時間43分、出血1087ml。【症例3】70代女性  原疾患膜性腎症40代で右腸骨窩生体腎移植。60代で透析再導入。夫をドナーとする左腸骨窩生体腎移植の方針。CTで大動脈から腸骨動脈にかけて著明な石灰化を伴う蛇行を認めた。手術時間7時間19分、総阻血時間3時間58分、出血885ml。【症例4】60代男性 原疾患糖尿病性腎症 透析歴1年  母親をドナーとする生体腎移植の方針。CTで大動脈から両側腸骨動脈の石灰化を認めた。手術時間6時間11分、総阻血時間4時間16分、出血3867ml。

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