熱帯農業
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矮生グレインソルガムの収量性並びに栽植密度に関する研究
池田 三雄中釜 明紀
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1970 年 13 巻 4 号 p. 215-219

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抄録

矮生グレインソルガムについて, U.S.A.産種子を用いて2つの試験を1968年に行った.第1は12品種の収量性と関連形質について, 第2はN3水準3, 栽培密度7水準の組合せが諸形質に及ぼす影響について調査した.その結果は次のようである.
1.最高収量はa当り70kg, 最低は38kgで品種の収量性に相当な差異がみられた.
2.高収性の品種は, 稈が太くて短かく, 節数はやや多く, 葉形は長さが短かくて巾が広く, 穂型は開散型のものであった.
3.台風によって葉は損傷したが, 倒伏や脱粒はみられなかった.
4.旱魃や低温によって生育が遅延したが, 生育の遅れたものは花芽の分化も遅れた.
5.栽植密度が高まるにしたがって収量は増加し, 無Nでは2, 000本/10aで, 両Nでは4, 000本/10aのとき最高に達し, それから次第に減少した.
6.何れの栽植密度でも, Nの多い程, 収量及び1穂粒数は高かった.
7.稈長および穂長および二次技は梗数N量に殆んど影響されずに, 栽植密度に強く影響され, 前者では正に, 後二者では負に動かされた.
8.無効茎の数および二次技梗の退化率は栽植密度が高まるにつれて急激に高くなったか, 特に低Nで甚しかった.

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