熱帯農業
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ハマスゲ及びその他の雑草ならびに甘蔗に対するチオ・カーバメイト系除草剤の影響
池田 三雄井上 信彦
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1970 年 14 巻 2 号 p. 65-70

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抄録

甘蔗栽培では適当な除草剤がないのでチオ・カーバメイト系除草剤三種について除草効果の実験を試みた.その結果, エプタム, バーナムおよびチラムはハマスゲおよびメヒシバに著しい除草効果があり, その他の広葉雑草にもかなり有効であつた.その中でバーナムが最も効果が高くチラムが最も劣つた.これらは激しい降雨のもとでも長く効力を持続した.甘蔗 (品種N: CO310) の出芽や初期生育はこれらの薬剤によつて少し害されるがその程度は軽微で発根および根の伸長はむしろ促進されたのでその後の生育は充分に回復すると思われた.このことは予備試験で確めれた.甘蔗の栽培ではバーナム粒剤反当30g (成分量) を10cmの深さに混層処理するのが適当と思われる.ポリ被覆栽培ではバーナムの揮発による損失が少くなるからこれにより少量でかつ混層の深さももつと浅くてよいと思われる.

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