熱帯農業
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テフ種子の発芽習性
片山 忠夫中釜 明紀
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1972 年 16 巻 2 号 p. 97-105

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抄録
テフを畑地に栽培し, 1970年9月9日に収穫した.収穫直後に発芽調査を行なった後, 室温で乾燥し, 20粒つつに分けデシケーターに入れ, 室温, 5℃, -17℃の条件下に保存した.1970年10月より1ケ月間隔で15回取出して発芽習性の変化を調査した.
収穫直後の発芽調査では, 播種1日後から発芽が始まり発芽は43日間みられ, 最終的には80%発芽した.従って顕著な種子休眠は無いものと判断された.
その後, 貯蔵期間が長くなる程発芽期間は短縮された.一方発芽率はいつれの貯蔵条件下でも一旦低下しその後上昇した.その下降と上昇の現象は貯蔵温度が低い程早かった.貯蔵8ケ月口に顕しい発芽習性の転期がみられた.貯蔵10ケ月目迄は貯蔵条件による発芽率の差は明確でないが, 貯蔵11ケ月後から差が顕しく成り4室温貯蔵区では急激な低下がみられ15ケ月後には5%になった.一方-17℃貯蔵区では15ケ月後も低下しない.5℃貯蔵区ではその両者の中間を示し, やや低下した.
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© 日本熱帯農業学会
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