1983 年 27 巻 1 号 p. 8-13
ムダかんがい地域の水田土壌の乾土効果をポット試験と現地ほ場試験から検討した.ポット試験では乾土処理区は無処理区に比べ, 穂重は平均202%, 根を除いた全乾物重は平均184%増加した.乾土効果の稲体への顕著な影響は, 田植後ほぼ1か月間に及び, その収量への影響は主として穂数の増加に現われた.一方, 現地ほ場試験にみられた自然条件下のほ場の推定乾土効果は, C4・63で平均942kg/ha (増収率45%) , Bahagiaで平均655kg/ha (同28%) のもみ収量の増収となった.これらの増収量に相当する雨期作の窒素施肥量はC4・63で約100kg/ha, Bahagiaでは約80kg/haであった.