熱帯農業
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園地条件を異にするリュウガンの栄養生長抑制とSADHおよびMHの効果
チトラクルスブ タワチャイサイディウオング ポーンチャイ弦間 洋大垣 智昭
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1989 年 33 巻 2 号 p. 73-80

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抄録
タイ国北部では, 冬期比較的高温の年, あるいは冬期の低温にかかわらず, 新しようの発生が開花1か月前であると, リュウガンの開花率は非常に低くなる.新しようの生長を化学調節することができれば, 安定生産を望むことが可能となる.
同一地域の湿潤地と乾燥地の園とを対比させながら, リュウガン‘Chom-Pu’に前年の10月30日からSADHとMHの1, 000, 4, 000, 7, 000ppmをそれぞれ2週間隔で1~3回処理した.園地条件の影響は翌年の2年生枝径と新しよう径, および2年複葉, 新複葉および新しようのそれぞれの長さには認められず, 新しよう発生期と2年生枝長, 2年生小葉および新小葉のそれぞれの長さには現れた.両抑制剤によって2年生枝径あるいは, 2年生枝長, 新しよう, 2年生小葉, 新小葉および新複葉のそれぞれの長さは影響はうけなかったが, 乾燥地園では新しよう発生期がMH処理によって遅れる効果を示し, 新しよう径はMH2回処理によって小さくなった.一方, 湿潤地園ではMH処理濃度と回数の間に相互関係が見いだされ, とくに2年生枝複葉の長さがMHとSADH処理によって長くなった.
試験年は冬期比較的高温であり, 抑制剤の効果が生じたが, 冬期低温が十分な年の効果については検討を要するであろう.
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© 日本熱帯農業学会
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