抄録
第1果房開花始期後の種々の発育段階における側芽除去が, 第1果房の種子収量及び収量構成要素に及ぼす影響について研究を行った. 開花始期及びその7日後の側芽除去が果房の種子収量を著しく増加させ, これは果房当たり果実数の増加によっていた. 開花14日後以降の処理は果実数をあまり大きく変化させなかったことから, 果実数が開花始期以降7~13日間に決定することがわかった. 果房当たり果実数の増加は果房内の小果房数の増加によるのではなく, 小果房当たりの果実数の増加によっていた. 小果房当たり果実数の増加は, 小果房内で遅く咲く高次位の花の結実によっており, 本実験で用いた品種及び環境条件の範囲では, 最高4次の雌花まで開花結実した. 一方, 高次位の花の開花結実による果実数の増加は未熟種子の増加をもたらして, 油脂の品質を低下させる可能性が大きく, 注意を要すると考えられた. 小果房数は開花始期以前の花房の分化発達期に決定し, 開花期以降は雌雄混在小花房の結実によってわずかな変化が起こる程度であることが推測された.種子重の決定期は果実数の決定期よりはるかに遅い時期まで続き, 開花始期以降少なくも30日間は続くと考えられた. 種子の長さ, 厚さは果実数の決定より7日ほど遅く, 幅は更に遅く種子重の決定期に近いことが示された. 種子の大きさと百粒重に関しては更に研究を進ある必要がある.