抄録
束ジャワ州の用材林で栽培されているジャワムカゴコンニャクの栽培方法, 並びに農家経済に対する寄与についての情報を得るため, 2002年の7月に農民と用材林管理者にインタビューを実施した.1度ムカゴを植え付けると, その後は分散したムカゴが自然に生えてくる.収穫はムカゴ植え付け後3年目から始まり, 球茎は植物体が休眠に入ってから収穫される.球茎の大きさは齢によって異なり, 1年目の球茎では平均220g, 3年以上の球茎では3700gであった.球茎の大きさは葉柄の直径, 植物体の栄養生長の程度, ムカゴの数から予測可能であった.太い葉柄を持つ植物体の側に棒を立てて置くことによって人きな球茎だけを収穫することができる.ジャワムカゴコンニャクの栽培は農家経済の改善に寄与しており, ジャワムカゴコンニャクによる所得は農家所得の40~90%を占めていた.ジャワムカゴコンニャクは除草と収穫を除き, 栽培に特別な管理を必要とせず, またジャワムカゴコンニャクの栽培は不法伐採や森林火災を防止する.