アテモヤ‘ジェフナー’の冬春季出荷体系を確立するため, 台木の違いが夏季剪定後の新梢生長や果実品質に及ぼす影響を剪定時期を変えて調査し, 沖縄県における栽培環境に適したアテモヤの台木および夏季剪定時期について検討した.新梢長および新梢基部の枝径は, 台木問および剪定時期で異なっていた.すなわち, 剪定時期が遅いほど新梢長は抑制され, 枝径は小さくなった.また, いずれの剪定時期においてもバンレイシ台木ではチェリモヤ台木, アテモヤ台木に比べ新梢長は抑制された.着花量は台木間で差はなく, いずれの台木でも剪定時期が遅くなるほど減少した.10月剪定では, 出蕾後に花蕾はすべて枯死した.台木間で果実重, 果形および種子数に有意差はなかったが, 糖度は, 強樹勢であるチェリモヤ台木およびアテモヤ台木で, 弱樹勢のバンレイシ台木よりも低く, 7月剪定に比べ8月剪定で高かった.1樹あたり収量は, アテモヤ台木では, チェリモヤ台木, バンレイシ台木に比べて低かった.以上の結果から, アテモヤの冬春季出荷に適した台木として, 樹勢が良く, 収量の多かったチェリモヤ台木が適していると思われた.また, 果実生産のためには, 夏季剪定を9月までに行わねばならないことが明らかとなった.