1964 年 7 巻 4 号 p. 176-181
1) 陽乾, 陰乾の2方法を用いてレモングラスの原料葉の乾燥が収油量およびチトラール含量におよぼす影響について1960~1963年に研究がなされた.
2) 元の生葉重に対する収油率は夏における陽乾では初めの約4~5日間, 陰乾では約7~10日間は収穫直後よりやや高く, 比較的低温・低湿のもとでの乾燥ではさらに長い期間に亘りこのような傾向がみられた.
3) とくに多湿条件のもとでなければ収油率に関しては陰乾が陽乾に優る傾向がみられた.
4) 油のチトラール含量は晴天の場合は陽乾のみならず陰乾においても1~2日間の乾燥で収穫直後よりもつねに著しく増大する傾向がみられた.
5) 油のチトラール含量に関し乾燥の初期には陽乾が陰乾に優る傾向がみられた.
6) 従つて元の生葉重に対するチトラール含量は乾燥の初期には収穫直後よりもつねに高く, 乾燥時の気象条件の良いときは1ヵ月以上たつても収穫直後よりも高いチトラール含量を維持することがわかつた.