熱帯農業
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インド系水稲の不稔性について
第1報遮光処理ガインド型水稲の不稔性に及ぼす影響
太田 保夫山田 登
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1965 年 9 巻 1 号 p. 14-18

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抄録

東南アジアの稲作収量が低い原因はいろいろと考えられるが, その一因として稔実が悪いことが挙げられる.今後, これらの地方で栽培法を改良して収量を高めて行くうえに, 特に肥料施用量の増加に伴ない不稔歩合がさらに増大するおそれもあり, 不稔歩合を高めることなく肥料の増収効果を発揮せしめるにはどのような方法をとるべきかが, 重要な研究課題となると思われる.そこで著者らは, まず出穂期前後の遮光処理がインド型水稲の不稔性に及ぼす影響について, 1959年セイロンにおいて実験を行なつた.
その結果, 出穂前遮光処理によつて一穂頴花数が減少し稔実歩合が高まつた.一方出穂後遮光処理は著しく稔実歩合が低下した.こめことよりインド型水稲の一般的な高い不稔歩合はその一因として穂が大きく, 一穂頴花数がそれに分配されるべき同化生産物の量より相対的に多いことにあると考えられる, したがつて施肥時期も頴花数の増大する時期の追肥より, その後の稔実をよくする時期の追肥が大切になると考えられる.

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