重種馬においては稀と思われる心房細動を,硫酸キニジンの漸増法による経口投与により除細動をおこなった。洞調律に復帰する時はある拍動を境として突然除細動され,細動リズムと洞リズムの繰り返しはみられなかった。除細動後に細動発生と関連性あると思われる心房内,房室結節内および心室伝導系における伝導障害が観察された。
本症例を提供された片桐祐氏(宗谷地区農共)に感謝するとともに,治療試験に助力された新山雅美氏(北大獣医学部家畜病院)と技術的援助をいただいた沢野公孝氏(札幌ME技研)にそれぞれ謝意を表します。