抄録
本報告は、連続するキー押下の間隔を測定し、統計的指標を用いることによって、タイピング技能を速度の面から評価しようと試みたものである。
計測用ソフトをプログラミングし、10ミリ秒の精度で測定したデータについて歪度と尖度を用いて分析した。単純に平均値だけの検討によっても、母音キーから子音キーへという指の動きでタイピングに時間がかかることが分かるが、更に歪度と尖度を検討することにより、タイピングの “リズム性” をも知ることができる。
これらのことにより、どの程度の安定度でタイピングを行えるのか、どのような目標を設定し得るのかを数量的に提示することができ、被訓練者のモチベーションを刺激する有効な評価法であると考えられる。