水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
水中の有機化合物に関する研究 (第1報)
活性炭吸着-クロロホルム抽出法 (CCE法) により濃縮された水道水中有機化合物のクロマトグラフィー及び腹腔内注射試験
高橋 保雄
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1987 年 10 巻 3 号 p. 171-179,169

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抄録
水道水をCCE法で濃縮した有機物について, CCE値, キャピラリーカラムGC-MSによる同定・確認, GPCによる有機物の分子量分布, 及びマウス腹腔内注射試験を行い, 有機物の概要を得た。
CCE値に主として関与している物質はヘキサン不溶中性物質群であった。キャピラリーカラムGC-MSより有機塩素農薬, 可塑剤, 臭気物質, n-脂肪酸など50種の物質が同定された。GPCによる有機物の分子量分布を標準物質ポリスチレンの保持時間と比較すると, 酸性物質群, 塩基性物質群, ヘキサン不溶中性物質群は分子量2100以下で, 分子量600弱を中心に分布していた。又, ヘキサン可溶中性物質群は分子量800以下で分布していた。マウス腹腔内注射試験では, ヘキサン可溶中性物質群の高極性フラクション, 及びヘキサン不溶中性物質群に活性が見られた。
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© 社団法人日本水環境学会
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