抄録
土壌, 底質中の低沸点有機塩素化合物の分析法の検討及びその方法を用いた海底質, 河川底質の分析を試みた。その結果, 土質の違いにより土壌と底質の抽出方法は異なり, 土壌については超音波抽出, 底質についてはすりつぶし抽出が良好な回収率を示した。試料の保存は冷蔵保存でも各物質ともかなり揮散するので試料採取後ただちに分析を行うことが望ましい。実際にすりつぶし抽出法を用い海底質, 河川底質の分析を行ったところ, 海底質は1, 1, 1-トリクロロエタン100~157μg/kg, 四塩化炭素46~92μg/kg, トリクロロエチレン112~176μg/kg, テトラクロロエチレン212~406μg/kgであったが河川底質は1, 1, 1-トリクロロエタン42~28μg/kgのみ検出された。