水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
河川水中における懸濁態リンの生成に関する基礎的検討
滝本 和人川相 吉弘川嶋 忠義有吉 靖信
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1989 年 12 巻 1 号 p. 29-36,27

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抄録
黒瀬川流域の濾過した河川水を20.Cで静置した。30h後から褐色味を帯びた懸濁物質が生成した。その河川水中のDIP, DOP, PP, s-FeおよびSiの濃度の変動を調べた。DOPはその増加の程度に差異はあるが通常時間と共に増大した。夏季には, DIP, DOP, s-FeおよびSiは時間と共に1段階あるいは2段階で減少した。他方, 冬季にはSi以外は夏季と類似していたが, Siはほとんど変化しなかった。
上述の懸濁物質は蛍光X線測定からFe, Mn, SiおよびPが含まれているのがわかった。IRスペクトルからは冬季にはフミン酸が粒子表面に吸着しているのがわかった。
黒瀬川流域で上述の水質を冬季および夏季に測定した。これらのデータに重回帰分析を施すと, 夏季のPPの生成にはFeおよびSiのコロイド粒子の生成が第一義的であり, リン吸着はその過程で生ずることが推定される。冬季には粒子表面上へのDIPの吸着が本質であろう。
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© 社団法人日本水環境学会
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