抄録
市販のアニオン性, ノニオン性ポリアクリルアミド系高分子凝集剤7種 (A~G) のコイ, ワキン, ヒメダカによる48-hLC50は, ノニオン性のA, Bが大で, アニオン性のC, E, Gが小という相違はあるが, いずれも150~530mg・1-1の範囲に含まれた。海水中におけるCの48-hLC50は, メジナに対して840mg・1-1という高い値を示した。
長期飼育実験による亜急性的影響限界濃度は, コイ, ワキンなどに対してはCは8mg・1-1以下, D, Eは2~10mg・1-1と小さく, 適用係数も0.01~0.03という小さい値であった。メジナの14週飼育実験では, Cは84mg・1-1でも影響を及ぼさなかった。
毒性実験と同質の水中で測定した還元比粘度が高い凝集剤ほど, 48-hLC50, 亜急性的影響限界濃度は低い値を示す傾向が認められた。なお, 海水中におけるCの還元比粘度は, 淡水中に比べて著しく低い値を示した。