近年, 廃木材の有効利用の観点から, 廃木材を原料に木炭を製造し, 床下などの調湿材料や各種吸着材料としての利用が進められている。吸着剤として利用する場合には, 吸着特性の優れた木炭の製造が必要である。
本研究では, 実際に発生している廃木材を原料に炭化を行い, 吸着特性の一つの指標となる比表面積に及ぼす炭化条件の影響について検討した。その結果, 廃木材を原料に, 窒素+二酸化炭素雰囲気中, 1,173Kで炭化した木炭では, 活性炭に匹敵する比表面積を持つ木炭が得られることを明らかにした。また, 窒素+二酸化炭素混合雰囲気中で炭化した木炭の比表面積は, 木炭の歩留まりと負の1次の相関関係があり, 炭化温度が1,073K, 1,173Kでは, 相関関係に対する温度の依存性が見られないことが判明した。
さらに, 1,273Kでの炭化では, 1,073や1,173Kでの炭化ほど, 木炭の比表面積が増大しないことが明らかとなった。