廃棄物学会論文誌
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論文
建設汚泥の改良に関する基礎的研究
渡邉 勉小宮 一仁清水 英治
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2001 年 12 巻 1 号 p. 10-16

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抄録
泥水式加圧シールド工法による現場や推進式シールド現場から発生する建設汚泥を対象に, 有効利用するための改良試験を行った。試験は高吸水性ポリマーを添加し, 汚泥から一時的に水分を取り込み流動性を抑える改質試験と, 高吸水性ポリマーだけでは強度発現が困難な汚泥に特殊固化材を添加し, 建設省「建設発生土利用技術マニュアル」の第一種~第四種建設発生土 (改良土) の基準値以上を目指す改良試験とを行い, 新しい建設材料として有効利用できるか, 種々の試験を行った。
その結果, 建設汚泥に高吸水性ポリマーを0.5~0.7%, 特殊固化材を13~18%添加することによって, 第二種の改良土以上に改良されることがわかった。また, ポリマーおよび固化材の種類による添加割合は, 発生汚泥によって異なることもわかった。
なお本研究では, 改良土の長期材令における強度変化を調べた結果, 空中・水中養生ともに, 強度増加の傾向が認められ, ポリマー・固化材を添加した改良土の長期安定性について確認した。
建設汚泥が, 若干のポリマーと特殊固化材を添加することによって, 埋め戻し, 盛土, 裏込め, 築堤, 造成などの新しい材料として有効利用できることを確認した。
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© 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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