抄録
本論文では, 連続実態調査から得たデータを用い, 家庭ごみ排出量と資源物回収量との関連分析を行った。総排出量の多少を基準にしたグループ別に, 紙類およびプラスチック類の資源物回収量の多寡, ならびに回収量の向上に伴うごみ減量化効果について分析した。
まず, アンケート結果を説明要因とする数量化理論第II類の適用により, 総排出量の増減変化がごみ減量化意識の高さ, 世帯属性の差異に起因することを示し, 総排出量の多少を考慮した3グループにデータを分類した。つぎに, 資源物回収量のごみ排出量に対する比を資源物比と定義する一方, 資源物回収の実態をごみ組成項目別のデータから考察した。そして, 資源物比の高低によって区分された2群間で紙類およびプラスチック類の回収量の差を比較した上で, 資源物回収量の向上によるごみ減量化の可能性を定量的に示した。