廃棄物学会論文誌
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食品残渣のマダイ用飼料化システムの開発と事業採算性の検討
池田 由起石塚 譲入江 正和亀岡 俊則石渡 卓鈴木 孝彦松田 行雄
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2004 年 15 巻 4 号 p. 246-255

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抄録

都市域で発生する多様な食品残渣の中から, おから, 寿司残渣, 練り製品残渣を原料として選択し, これらを気流乾燥機で乾燥した後, 回収魚アラから造られたアラミール等を添加して, マダイ用ペレット飼料を製造し, その成分を把握した。この食品残渣配合マダイ用ペレット飼料 (以下, リサイクル飼料と略す) の効果を調べるために, 63日間養殖マダイに給与して, マダイの成長等に及ぼす影響について, 市販マダイ用配合飼料と比較検討した。その結果, リサイクル飼料は, 市販配合飼料に劣らない効果を持ち, マダイの養殖に利用可能であることがわかった。食品残渣の乾燥・ペレット製造工程を最適化した食品残渣配合マダイ用ペレット飼料化システムにおける製造コストを試算し, 本システムの事業採算性を検討した。リサイクル飼料生産量6 ton/日において, IRR (Internal Rate of Return) =10%となるリサイクル飼料の販売価格は, 市販ペレット飼料と同程度となった。

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© 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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