廃棄物学会論文誌
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論文
廃棄電気電子機器回路基板の金属分離技術の検討
阿川 隆一西田 稔次田 泰裕荒木 孝雄黒豆 伸一
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2005 年 16 巻 2 号 p. 163-172

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抄録
廃棄プリント基板は, Cu, Au, Ag, およびPdなどの貴金属と環境に影響するCu, Cr, Pb, およびBrなどの有害な元素を含んでいる。したがって, プリント基板からの金属回収は, 再資源化推進と環境保護の観点から重要である。本研究は, 廃棄パーソナルコンピュータ中のプリント基板から資源を分離する方法に関して研究した。プリント基板を20mm×20mmのサイズに切断後, C, H, およびNなどの樹脂成分を除去するために873Kで加熱処理した。加熱処理後の基板は, ボールミルを用いて粉砕し, 篩い分け, 250μm以上の租粒は, 磁力選別によって磁性物と非磁性物とに分離した。39mass%のCを含んでいる250μm以下の粉体は, 95%Ar+5%O2雰囲気中で1, 273Kの加熱処理し, 加熱処理後の粉体は, 塩基度を調整した後, 97%Ar+3%H2雰囲気中で1, 773Kの加熱処理をした。その結果, スラグと金属は分離され, 基板に含まれる80%の貴金属が回収された。
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© 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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