2005 年 16 巻 6 号 p. 508-519
わが国では2005年1月より「使用済自動車の再資源化等に関する法律 (自動車リサイクル法) 」の本格施行が予定されており, それに向け使用済み自動車のリサイクル過程を適切にかつ正確に把握および評価することが求められている。筆者らは, 中村によって既に作成されている廃棄物産業連関表をベースに使用済み自動車のわが国の経済活動内での循環と海外輸出, そしてその経済活動に伴い環境へ排出される環境負荷を定量的に記述した自動車リサイクル産業連関表の作成を試みた。1995年を対象にして使用済み自動車のリサイクル過程の把握および評価に適した財と部門の分類を設定し, そのリサイクル過程でのマテリアルフロー量を推計した。さらに, そのときに用いた推計方法と既存の推計方法や調査と比較を行うことで推計の妥当性を検証した。